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日本エッセイ・随筆
【内容紹介】
写真家・中井菜央は、外界のさきに、内界に潜むものを見いだす方法によって、「私とは、世界とはなにか」を問い続けてきた。
世界そのものはけして知られず、カメラは客観的に、人は主観的に、世界を現れ(表象)として捉える。
「写真」において、客観と主観は総合され、世界そのものと私そのものを垣間見ようとする。
「水脈」は心の深奥の無意識、「ゆれる」は無意識の非言語の意思表示。
それは中井の写真制作の指標であり、その事情は本書でも変わらない。
中井は、生きる「水脈」が論理的な整流でも、ただ混乱した流れでもないといい、テキストでは、観念が、記憶が、思いが、その流れを模して構成されていく。
「私」を一般化せず、「私」を「私」のままに、中井は半生と制作経験の記述を通じ、「撮る者にとって写真というものが何であり得るか」を示す。
カメラと写真によって、言葉の外を歩む写真家が、言葉の内へと訪い、言葉によって「写真」を写し出す異色の書。
所収のカラー写真46枚は全て撮り下ろし。
【目次】
揺らめく
刺繍の裏
時の境
滴の星
あとがき
謝辞
【著者略歴】
(なかい・なお)
1978年滋賀県生まれ。
日本写真芸術専門学校卒業。
出版社写真部勤務を経てフリーランス。
モチーフだけを決め、あらかじめテーマを設定することなく制作を始め、撮影の中でテーマを見出してゆくスタイル。
外界に在るもののさきに、自分の内界に潜むものを発見し、それをテーマに据えて、「私とは、世界とはなにか」を問い続けている。
主な展覧会に2014年「未明」銀座ニコンサロン、2018年「?」Roonee 247 Fine Arts、2022年「雪の刻」横浜市民ギャラリーあざみ野、2022年「雪のさき」TURNER GALLERY、2023年「雪の刻」砂丘館、2023年「雪からはじまる」南魚沼トミオカホワイト美術館・鈴木牧之記念館などがある。
これまでに、名取洋之助写真賞奨励賞、さがみはら写真新人奨励賞、日本写真協会新人賞などを受賞。
写真集は、「?」(赤々舎、2018)、「雪の刻」(赤々舎、2022)、「海の緒」(赤々舎、2026)がある。
*ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。