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社会
そこには、私の知らない父の姿があった。21歳、海軍経理学校の卒業後すぐに戦地に赴いた父・阿部克巳が見た「戦争」とは何だったのか。東大文学部教授の著者が父親の手記をもとに書き起こした、圧巻のノンフィクション4ヵ月間起居を共にしていた200人もの秋風乗員たちは、たまたま入れ代わりで別の船に乗艦した父の目の前で、一瞬のうちに火柱となって南シナ海に消えた。「克巳は88歳で亡くなったが、その短いとは言えない生涯を、1年半ほどの軍隊での経験と、とくに艦上での数ヵ月の出来事を生き直すために費やしたようにも思える。その言葉をどう伝えるかあれこれ考えながら、自身の存在の小ささを思い知らされている。」(本書より)