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こんな別れの為にキミと恋をした訳じゃないのに--「離れたくないって想ったら、寂しくなったよ」そう告げたのは飄々として不躾で、どこか寂しげな予備校講師の能登先生だった。高校生の千歳は優しすぎる彼の恋心に翻弄されながらも、幸福な時間を積み重ねた。ふたりきりの教室、一緒に見た花火、朝焼け……。けれど、それは一瞬にして千歳の中から消失した--…。恋を初めて知った能登と、恋を忘れた千歳の抗えない想いは……。