単行本(実用) 図書館・図書館学 戦争×書物 / アンドルーペティグリー / 五十嵐加奈子

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管理番号: BO5029710
発売日: 2026/05/26
メーカー: 柏書房

商品説明

図書館・図書館学
【内容紹介】
戦争と書物の関係とは何だろうか。
まず思いつくのは指導者を礼賛し戦意を鼓舞する書籍だ。
しかし、近代の戦争ではそれ以外の役割もあった。
第一次世界大戦では攻めていくにも地理がわからない。
そこで古い観光ガイドを探す羽目になる。
しかし侵攻していく地域が平地なのか沼地なのかさえわからない。
戦闘も毎日起きるわけではなく、兵士も娯楽が欲しいし故国の様子も知りたいので、雑誌や本が必要になる。
これは捕虜についても同様で収容所には図書館もあった。
また攻めるに当たっては占領した国を徹底的に破壊するため図書館を破壊したり蔵書(稀覯本など)を盗んだりもした。
さらに敗戦国の思想を浄化するために、その国の本を廃棄したり書き換えたりする必要もあった。
戦争によって盗まれた美術品については、その重要な価値ゆえ多くの物語が書かれてきた。
しかし、書籍についてはどうだろうか。
20世紀以降、数々の戦争によって図書館やその蔵書が焼かれ盗まれてきた。
しかし戦後それらの返還や補償は行われていない。
ベルリン、ワルシャワ、ミンスク、ミュンヘン、カッセル……これらの都市の図書館は、初期の活字本、楽譜、手稿本などを所蔵していたが、二度と同じ姿を取り戻すことはない。
また戦争は大量の本を破棄する。
戦後のドイツでの『わが闘争』100万部の廃棄、中国での『毛沢東語録』がそのカリスマ性の失墜とともに1億冊破棄されたことはどう考えるべきだろうか。
図書館は戦争において重要な戦略的資産を保存している。
米国議会図書館は太平洋諸国の図書を所蔵していなかったため、突然、真珠湾での攻撃を体験することでこの必要性を理解した。
公共図書館はまた、戦時中の数多くの新しいお役所仕事として、戦時国債を販売し、配給本を配るなど、国家的な大義に関わる役割も担っていた。
図書館の蔵書は、商店主や家人が従わなければならない数多くの新しい規制を伝えることにもなった。
アメリカとロシアの図書館に置いてある本は、必ずしも同等ではないだろう。
たとえ自然科学でもだ。
その理由は国家の思想的背景によるものだ。
では日本の図書館はどういった基準で本を選んでいるのだろうか。
これらの世界史的な観点から、なぜ図書館が必要とされ、どう都合よく利用されてきたかを考えると、本というものが、自由に手に入るものだと思わされてきたのかもしれない。
本書からは歴史を通じて本がどのように扱われてきたのか、その意図は何だったのかが読み取れる。
【目次】
序文 思想戦における武器としての本
パート1 戦闘国家の構築
第1章 兵の動員
第2章 戦術
第3章 『アンクル・トムの小屋』からスターリングラードまで--男たちはなぜ戦うのか
パート2 知識の動員
第4章 科学の戦争
第5章 学問の府のスパイ
第6章 地図上の線
パート3 国内戦線
第7章 勝利のための出版
第8章 戦時中の読書
第9章 ブラックリスト
パート4 兵士のための本
第10章 軍隊
第11章 戦時の作家たち
第12章 大いなる逃避
パート5 爆撃機は必ず突破する
第13章 安全な避難場所
第14章 略奪
第15章 パルプと灰
パート6 一九四五-八九年:平和という戦争
第16章 浄化
第17章 返還
第18章 心と理性
結び-歴史の終わり、そして終わらない戦争
【著者略歴】
セント・アンドルーズ大学近代史教授。
著書は共著で『The Library: A Fragile History』、単著として受賞作でもある『The Book in the Renaissance』や『The Invention of News』、『印刷という革命』(白水社)がある。
前王立歴史協会副会長でありユニバーサル・ショート・タイトル・カタログの創設者でもある。