商品説明
日本文学
いい子のかんむりは/ヒトにもらうものでなく/自分で/自分に/さずけるもの。ある事件以降、引きこもっていたしふみはテレビ画面のなかに「おねえちゃん」を見つけ動植物園へ行くことになる。言葉を機械学習させられた過去のある類人猿ボノボ”シネノ”と邂逅し、魂をシンクロさせ交歓していく。--”わたしたちには、わたしたちだけに通じる最強のおまじないがある”。”女がいますぐ剥ぎ取りたいと思っているものといえば、それは<人間の女の皮>にちがいなかった。女は人間の<ふり>をして、ガラスの向こう側にたっている””女とシネノは同じだった。シネノのほうはそのふるまいこそ完璧ではあったけれど、それでも猿の<ふり>をして、あるいは猿の<姿をとって>、こちら側にいる”ねえ、なにもかもがいやなかんじなんでしょう。ちがう?