商品説明
高1の奈苗は、いつも笑顔でいるものの、心に孤独を抱えていた。ある時、とある事情でクラスメイト五人だけで三日間、授業を受けることに。一匹狼の大北くん、優等生の怜ちゃん、委員長と呼ばれる落合くん、いじめられっ子の若尾くん。いやで仕方なかったのに、気づけばその時間が大切なものになっていて--。無限に積み重なる空の下、五人のひとりぼっちたちの物語。今まで目に見えていた星だけが、この世にある全てだとでも思っていたのかもしれない。校舎の屋上で夜空を見上げ、驚きの声が漏れた。見えないものや触れられないものは、存在していないのと同じだった。けれど。「ねえ」隣にいる彼に声をかける。「この関係に、絆はあるのかな」目に映る小さな世界で、目に見えない絆を探した。ひとりぼっちの、わたしたち。